猫のお葬式は突然やってきます。
猫って、ちょっと具合が悪いだけかな?なんて油断してると突然死んでしまいます。
大げさではなく、小動物の場合はちょっとした変化が命取りになり、まさにうちのアレンがそうでした。
去年の12月、肛門をしきりに気にするそぶりをするように。
でもおしっこがでていないようでした。
そのうち、足がふらつき、今にも倒れそうな状態に!
慌てて動物病院に連れて行ったところ、腎臓と膀胱に結石ができてそれが尿管に詰まってしまったのです。
即日入院・手術となったのですが、あと半日、病院に連れて行くのが遅れたら死んでしまっていたということでした。
入院している頃、一日おきに面会に行くものの食欲もなく、どんどん痩せてきてしまいました。
健康な時は4kgあった体重が2.3kgまで減って、ガリガリの状態になってしまいました。
それが、術後処理と体調管理のため3週間ほど入院したところ徐々に元気を取り戻したようなので、お正月前に退院。
帰宅してからは安心したのか目立った症状も出ず、食欲も戻って元気を取り戻してきました。
体重も1ヶ月後には3.9kgまで回復!
これで大丈夫かと安心したのもつかの間、しばらくすると今度はあちこちに粗相するようになってしまいました。
おしっこの色も異常に黄色くて、体調も良くなさそうだったので再び病院へ。
猫は体調が悪いとあちこちに粗相するらしいんですね。
おしっこと血液検査の結果、尿路結石のほかに自己免疫性溶結性貧血という病気も発症していたんです。
おしっこが異常に黄色くなっていたのは黄疸症状だったからなのです。
とはいえ、今度は手術や入院治療する必要もないというので、お薬を処方してもらって服用していました。
アレンに飲み薬を飲ませるのはとても大変でした!
首根っこを押さえて口を開けさせようとすると、すごい力で顔を「ぶんっ!」と振って、そっぽを向いてしまうんです。
特にアメショーの男の子はマッチョなので、力が強いんですよね。
無理に飲ませようとしたところ、故意ではないもののアレンに噛まれて流血したことも・・・
最後は仕方なく私が薄手の軍手をはめて、アレンの口の中に薬を押し込むことにしました。
そんなこんなで2週間の服用が終わるころにはだいぶ元気になってくれました。
これで落ち着いてくれればいいと願っていたのですが・・・
ところが数週間後、またしてもあちこち粗相するようになりました。
心なしか元気もないので病院に連れて行かなきゃ、と思ったのが週末の金曜日です。
運悪く私は金曜・土曜・日曜と仕事で外出しなければならず、病院へは月曜日に連れて行こうと思っていました。
主人も体調を崩していてたので、とても猫を病院に連れ行くことはできませんでした。
ところが・・・
日曜日の夕方、私が仕事から帰ってくると「アレンが死んじゃった」と主人がポツリ。
その日の午後に急に痙攣をおこしてそのまま亡くなってしまったとのこと。
その数日前からアレンは昼間も私の寝室で一人で寝るようになっていました。
亡くなった日の午後2時ごろ、バタンっという音がしたので主人が見に行ってみたら床に倒れて痙攣していたそうです。
どうしていいのかわからない主人は私が帰るまで亡骸をそのままにしていました。
帰宅した私が見たのは、すでに冷たくなったアレンでした。
最期に粗相してしまったのですが、床を汚して怒られると思ったのでしょうか、自分の身体でおしっこを吸い取るように横たわっていました。
アレンはキレイ好きで、吐くときも猫トイレの中にげーっとするような頭のいい仔でした。
それが、床を汚してしまったのが申し訳なくて、自分の身体で汚れを拭こうとしたのかもしれません・・・
アレンはそういう仔でした。
アレンが急死したのは私のせいです。
私が仕事優先してアレンを病院に連れて行かなかったから。
死んだアレンを見ても何もできなかった主人を尻目に私はそんなことを考えながら、最後のシャンプーをしました。
抱き上げたアレンの身体にはまだ少し、ぬくもりが残っていました。
生きてるんじゃないかと「アレン、アレン」と呼んで体をさすってみたものの、動きませんでした。
念入りにシャンプーした後、ドライヤーで被毛を乾かしたのですが思った以上に時間がかかりました。
生きているときなら入念にタオルドライしただけで、あとは自分でグルーミングしながら乾かしていたのを思うと、改めて猫って被毛が多いんだなあなんて泣きながら、そんなことをボーっと考えていました・・・
そしてキレイになったアレンをバスタオルでくるんで私のベッドに寝かせました。
火葬にするまでは一緒に寝ようと思ったんです、せめてもの罪滅ぼしに。
もしかしたら夜中に生き返ってくれないかな?なんて淡い期待を抱いていたのですが無駄でした。
目と口を開けたまま亡くなっていたので、時間をかけて口を閉じさせました。
葬儀の時に体が伸び切っているとお棺や焼き場に入らなかったりするという、ペット葬儀者のHPで見たからです。
一晩一緒に寝て、翌日は猫のお葬式をしてくれる業者をネットで探しました。
その時、伸び切ったペットの四肢を真ん中に寄せておくようにするといい、というペット葬儀者のある記事を読んだので、そうしました。
さて、うちはマンションなので猫を埋葬する庭がありません。
車もないので、どこかのお寺さんに行って葬儀をあげることもできません。
ネットで「出張して火葬してくれる動物の葬儀屋さん」を何社か見つけて、サービスや価格を比べてみたのですが、どこも大して差がありませんでした。
迷った挙句、愛猫の「記念品」を用意してくれている会社にお願いすることにしました。
出張火葬のほかに、「足型をとったもの」か「被毛のペンダントのどちらか一つ」、それと可愛らしい「お数珠」の中から2点を付けてくれる葬儀屋さんに決めました。
私はアレンの足型とお数珠を選びました。
足型ならいつでもアレンの可愛らしい足を思い出せるし、数珠は火葬前にアレンから外して飼い主に渡してもらえるので、常に手首に付けておけますからね。
アレンの写真はたくさん撮ってあったので、それ以外に何かアレンの存在を感じることができるものが欲しかったんです。
半日かけてやっと葬儀屋さんが決まったのですが、ここで一つ問題発生。
葬儀社のワゴン車の中で火葬してもらうのはいいのですが私たちが住んでいるマンションの敷地内で火葬することは規約で禁止されていました。
普通は遺体を乗せてその車の後を自分たちの車でついて行って火葬➡お骨あげをするのですが、その車がない。
焼き場に行くこともお骨を持って帰ってくることもできません。
そのことを葬儀屋さんに相談したところ、ありがたいことに一旦遺体を預かって焼いた後、家まで持ってきてくれるということになりました。
マンションの敷地内に車を止めてくれたので、アレンをそこまで運んで簡単な葬儀を済ませました。
好きだったご飯、おもちゃ、お花などでアレンを飾りつけて最後のお別れを済ませました。
ここで、アレンの足型もとってもらいました。
お別れの後、アレンを乗せた車は焼き場に向かい、私たちはお骨が帰るまで家で待つことに。
焼き終わるまで小一時間ほどかかって、担当者から連絡があり、遺骨をプレートに乗せて家まできてくれました。
プレートには体の部分別に分けられた小さなお骨が並んで乗っていました。
そのお骨について説明を受けた後、お骨上げをするまで葬儀屋さんは車で待機してくれています。
終わったことを携帯で伝えると葬儀屋さんが骨壺を骨袋に骨壺を入れてくれます。
その場でお会計を済ませてすべて終了です。
なんだかとてもあっけなく終わってしまって、アレンが逝ってしまった実感がわきませんでした。
私たちができうることを精一杯やって、心を込めてアレンを天国に旅立せることができたのも、ペットの葬儀屋さんのお陰と感謝しています。
それでも私の後悔と罪の意識は消えません。
アレン、具合が悪くなっていたのにすぐに病院に連れて行かなくてごめんね・・・
アレンが死んだのはママのせいです・・・
あんなに幸せな時間をいっぱいくれたのに、最期の最期にママはアレンを助けてあげられませんでした。
私は飼い主失格です・・・
具合の悪い猫を病院に連れて行かないのは「虐待」です。
アレン、虹の橋で幸せに暮らしてね・・・
もしママを許してくれたら、もう一度生まれ変わって会いに来て・・・
さよなら、大好きだったアレン。
今も大好きだよ。
私は毎日アレンのお数珠を付けて通勤します。
四十九二飛までは時々夢の中に現れてくれたり、通勤途中でその気配を感じていました。
アレンは私を守ってくれている、そんな風に感じました。
もう、虹の橋を渡ってしまったのかもしれないけれど、私はいつもアレンに呼び掛けています。
本当に大好きな仔なんです。